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ヴァイオリンを持つ男

2007.12.27(06:35)
あらかじめお断りしておくと、僕は美術に関する知識はありませんので、これはあくまでも個人的に感じたことを文章にしたにすぎません。お気軽に読み飛ばしてください。 

先々週のこと。上野の東京都美術館で12月24日に終了したフィラデルフィア美術館展に行ってきました。終了してから記事を書くというのが、なんともタイミングが悪くて失礼いたします。

ロダンの「考える人」を見たのは二度目でした。世界中に何体あるのかわかりませんが、サンフランシスコで見て以来7年ぶり。なんという因果か、まさにそれは7年前の12月の終わりだったので今さらながら世の中の不思議さに驚かれます。

後ろに回って背中を見ると、静かな悲しみを背負っているのが判りました。普段横から見られることが多いので、誰も彼の悲しみに気づいてくれないのだそうです。

この作品とお話してみた結果、より正確な作品名は「考えはじめた人」であることが判りました。この人はこれまであんまり何にも考えてこなかったけれど、やっと最近になって考えるようになったのだそうです。何を考えているのかというと、「自分はハンサムでこんなに完璧な肉体を持っているのに、何故女にいつも捨てられるのだろう?」と考えているらしいです。

「肉体を鍛えることばかりに集中して、内面を磨くことをしていなかったからなんじゃないの?」と言ってあげたら、さらに深く深く考えていたようです。

ピカソの作品の楽しさを再認識することができたのが、今回の一番幸せな出来事でした。

「ヴァイオリンを持つ男」が圧巻です。この作品は銅版とアルミ板、階段ふたつ、迷路、フォルテシモ、三つボタン、ヤギ、カタツムリ、非常口、耳かき二本、運慶の仁王などさまざまな素材を組み合わせて表現された立体作品です。壁にかけて展示するように作られているので、一見してカンバスに描かれた油彩の絵画作品に見えるのがこの作品の面白いところです。

芸術の鑑賞というと、作品を理解するということで頭が一杯になってしまい、自由に作品を楽しむということをつい忘れてしまうものです。きっと作者の意図を完全に理解することは難しいだろうし、真っ白な心で作品と向き合うことができれば十分なのかもしれない、そんなことをこの展覧会で感じました。有名無名を問わず、数多くの素晴らしい作品に出会うことができて、とても満たされた一時でした。
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ジーニー 

Author:ジーニー 
ゲイのヒーラー、物書き、西洋占星術研究家、翻訳者。1968年生まれの39歳。英国占星術協会会員。東京都心で大小の熊に囲まれて、毎日和やかに暮らしております。

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