クリスマスの思い
2006.12.29(23:40)
クリスマス・イヴの朝に携帯が鳴り、誰かと思ったら入院中の母から「年内に退院できることになった」との知らせでした。肺の片方がすでに機能しておらず、24時間酸素吸入が必要な状態になってずいぶん経つので、家で新年を迎えられるというのは奇跡のようです。午後に用事があって埼玉に住む父を訪ねました。7年前に家出をしてから一度も敷居をまたがせてもらえなかったんだけど、母に次いで兄も入院することになり一人でどうして良いのか判らなかったような状態だったので父は喜んでくれました。
君にあげたいものがあると言って父が自分の部屋から出してきてくれたものは、かつてビジネスマンだった頃よく出張に使っていた、古い革のアタッシュ・ケース。
「ジェームス・ボンドみたいで格好いいだろう? お父さんはもう体も弱くなって、旅行もできないから君が使ってくれ」と勧められ、しぶしぶ持ち帰ってきたそれの重いこと重いこと。一体何の意味があるのか良く判らなかったんですが、あれは多分クリスマス・プレゼントのつもりだったんでしょうね。
うちの旦那にそれを見せると、「君が子供の頃にもっと優しくしてあげれば良かったという思いがあっても、お父さんにはそれは言えないんだよ。自分が悪かったという、お父さんの精一杯の気持ちなんじゃないの?」と言われ、もしかして全くその通りなのではという気持ちになってきました。それが判るというのは、うちの旦那も同じような思いを体験していたに違いありません。
書きながら今、ふと俵万智さんのこんな歌を思い出しました。
「やさしさをうまく表現できぬこと許されており父の世代は」
以前に旦那を紹介した時に、父は彼を妙に気に入っていたので驚きました。「君のことは養子に出したと思っているからね」と変な納得の仕方をしていましたが。そんなこんなで僕の実家は、今住んでいる旦那と二人の家ということになっております。
genietokyo@yahoo.co.jp
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